第7回同窓会大会のご報告

 かつてのバブルの聖地に、クリスタルシャト―として聳え立っていた赤坂プリンスホテルが平成23年3月で幕を下ろすとの記事に驚いた。
 校則の厳しさがもはや伝統芸となっていた頃の私たちは、その反動から時代の流れにはひどく敏感なところがあったが、脳内妄想においてはまさに常連客となっていたこのホテルが、平成22年11月27日午後6時に開催される第7回同窓会大会の会場であるとの案内状の会報に、そうあった。
 今にも泣き出しそうな空を眺めながら辿る坂道は、間近に迫ったクリスマスデコレーションで盛られ、雑誌を何度もめくっては憧れたあの白いロビーを通り抜け、さらにエスカレータを乗り継いで到着したパーティルームには、350人を超える卒業生と懐かしい先生方の笑顔が溢れていた。

司会  宮田佳代子・・・同窓生の中には素敵な女子アナが何人かいるが、私は、あの凛としつつも艶やかな声が今でも好きだ。
 物故者の追悼の後、事務局の経過報告に続いて小倉会長の挨拶、校長先生の祝辞と流れるように懇親会へと次第が進むが、いつもながら、この乾杯までの時間配分がダラダラしなくてありがたい。

 この学校も時代に竿さして制服を外苑カワイイ風に新調したらしく、大会企画ではこの一大変化をエンターテイメントショーとして見せてくれた。
制服  第1期生の小林先輩が傘寿の祝いと学欄姿でバンカラ風のウォーキングを披露すれば、負けじと61期の榎本君、辻本君、樋口さん、下田さんのヤングカルテットがニュー制服を初々しくお披露目、そこに20期の伊藤女史がショートヘアを三編みにしての無茶ぶりで、カーネルサンダースばりの肉体の第19期の小野さんと24期の山本さんのふたりが、シルクハットにタキシード姿でエスコートしてオンステージといった具合で、会場は大盛り上がりだった。

 見渡せば知った顔の奴がこちらを向いている。おおっと声を掛ければ、傍らにそそと寄り添う女性がいる。
 そうかっ・・・一瞬にして銀座線の駅のホームがけたたましいレール音とともに脳裏に蘇えり、そのとき聞こえなかった声が、読みとれなかった唇が、校歌の旋律とともにリフレインする。もう、ずっと昔の事だと思っていたのに。
 私は笑顔でグラスを挙げ、人懐っこそうな顔をする奴の目線を決して反らさぬよう、静かに近づいて行った・・・。




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